渥美くんとの出会い

私が渥美くんに出会ったのは2017年の7月のはじめ。

 

それは、私が19歳でアメリカに渡り、18年後に

帰国した翌年のことだ。

 

帰国した経緯を簡単にまとめると、12年間

日系企業で自分に合わない仕事を一生懸命

やりすぎてバランスを崩したあげくに

自殺未遂をし、大きな怪我をしたために

親の世話にならないと暮らせなくなったから。

 

 

1年半くらいの療養生活を経て、大人になって

はじめて暮らす日本で

音楽に対してどん欲にインプットしながら

一緒に表現活動ができるパートナーを

探していた。

 

その日は渋谷のSaravaというライブ会場で

彼の演奏を聴いた。

 

つぼぐちさんというピアニストとのデュオという

セッティングだった。

 

演奏中、つぼぐちピアニストと音で会話をする

渥美くんを

 

へえ、そんなことも言うわけね

そんな聴きかたでそんな返しをするわけね

 

と思いながら眺めていたのを覚えている。

 

終演後、CD売り場にいる彼に声をかけ

自己紹介をした。

 

翌週下北沢でジャムセッション

があるのでどうか

まあ、名古屋からだと難しいよね

 

と言ってくれたので、

 

行くかもしれない、と答えて

その日はお別れした。

 

それが私と彼との出会いだった。